今日3月12日は、第48回日本アカデミー賞受賞式の日です。今年はどんな作品が最優秀作品賞に選ばれるのか楽しみですね。そんな日本アカデミー賞ですが、第1回の最優秀賞作品をご存じでしょうか?今日観たいおすすめ映画は、1978年 第1回日本アカデミー賞最優秀作品賞『幸福の黄色いハンカチ』です!
あらすじ
山田洋次監督と高倉健さんの初コンビ作で、数々の映画賞を受賞した名作。北海道の雄大な自然を背景に妻との〝約束〟を願う男のロマンを描く。失恋した工員・欽也(武田鉄也)は中古車を買って北海道に旅行に来る。途中、網走で一人旅の娘(桃井かおり)を車に乗せた。2人は海岸で中年の島勇作(高倉健)と知り合い、一緒に旅をすることにした。勇作は網走刑務所を今日出所した男だった。そして妻(倍賞千恵子)が勇作の帰りを待っていてくれるなら、自宅の前に黄色いハンカチを下げておいてくれる、という。そして、夕張に着いた……。(追悼特別展「高倉健」図録より)
第1回日本アカデミー賞や第51回キネマ旬報賞、第32回毎日映画コンクール、第20回ブルーリボン賞や第2回報知映画賞など、国内における同年の映画賞を総ナメ。陰のある刑務所帰りの中年男 島勇作を演じるのは、「八甲田山」「鉄道員(ぽっぽや)」「ブラック・レイン」など、日本を代表する名優 高倉健さん。失恋し東京から一人傷心旅行に来た小川朱美役には「もう頬づえはつかない」「ええじゃないか」。スティーブン・スピルバーグ製作、ロブ・マーシャル監督の「SAYURI」でハリウッドデビューも果たして桃井かおりさん。同じく失恋してヤケになり北海道に来た花田欽也役には、金八先生こと武田鉄矢さん。映画『男はつらいよ』シリーズで、主人公の妹役・さくらを演じた倍賞千恵子さんが、島光枝役。同じく「男はつらいよ」シリーズで寅さんを演じた渥美清さんもちょい役で出ています。
超ド級演技力俳優3人が行く 日本ロードムービーの金字塔
見どころは何と言っても、超ド級演技派俳優陣
高倉健さん・桃井かおるさん、武田鉄矢さんの競演です!
お三方とも同年日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞・最優秀助演女優賞・最優秀助演男優賞を受賞しています。刑務所から出てきたばかりの勇作が、食堂でビールを飲むシーン。高倉さんが実際に2日間何も食べずに撮影に挑んだのは有名な逸話ですよね。ここは「賭博破戒録カイジ」の缶ビールシーンと並ぶ、後世に語り継ぐべきビールテロシーンでしょう・・・
高倉健さん、桃井かおるさんの演技は上記のようによく語られていますが、私がド肝を抜かれたのは金八先生こと武田鉄矢さんのコメディ俳優としてのセンスです!
本作のストーリーは、前半ほのぼの系コメディ。後半は高倉健の過去にスポットがあたりサスペンス仕立てとなっています。その前半コメディパートをひとり担っているのが武田鉄矢さんです。鉄矢のひとりコントタイムが前半50分くらい続きます。(笑)
ですが、全く飽きずに見てられます。世代じゃ無さ過ぎて、漢字に詳しいご意見番おじさんくらいのイメージだったのですが(失礼)。西田敏行さんのような、お茶目で愛嬌のある演技ができる人だったんですね💛(再失礼)蟹にあたったお腹を下したり、ムラムラして朱美に襲い掛かったり、下ネタ多めなのが玉に瑕(たまにきず)ですが、抜群のコメディセンスでしっかり笑わせてくれます。
ストーリーの起伏はそこまで無いのですが、それでも見ていられるのが、日本ロードムービーの金字塔と言われる所以。「すずめの戸締り」の芹澤ロードムービーパート。流行りの曲を流したり、車が故障するトラブルが起きたり・・・あれが好きな人はハマるとおもいます。欽也のファミリアも芹澤のBMも、どちらも赤い車で共通していますし、新海誠監督多少意識したんですかね?(笑)コミカルなキャラ設定も同じです。
あなたもきっと昭和の芹澤=武田鉄矢が好きなる!(笑)
3月12日=第48回日本アカデミー賞受賞日に、ワンダフルのひとときを!
スタッフ&キャスト
監督:山田洋次
原作:ピート・ハミル
脚本:山田洋次 朝間義隆
製作:名島徹
撮影:高羽哲夫
島勇作=高倉健
島光枝=倍賞千恵子
小川朱実=桃井かおり
花田欽也=武田鉄矢
渡辺課長=渥美清
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