今日3/24-30はISU 世界フィギュアスケート選⼿権⼤会 2025の初日です。アメリカ・ボストンを舞台に、鍵⼭ 優真選手や坂本 花織選手が日本を代表して出場予定です。そんな今日観たいおすすめ映画は『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』です!アメリカフィギュアスケート界 最大のスキャンダル「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を描くモキュメンタリーコメディです。
「これが私の物語・・・これが真実よ」(トーニャ・ハーディング)
浅田真央さんはソチオリンピック(2013)。羽生結弦さんは北京オリンピック(2022)。金メダルを取った大会よりも転倒して結果が奮わなかった悲劇の大会の方が記憶に残っているのは私だけでしょうか?世界レベルの選手でも100%演技を成功させるのは難しい・・・それがフィギュアスケートの世界なのだとつくづく痛感する。
アメリカ人のフィギュアスケート女子選手として初めてトリプルアクセルに成功し、1992年アルベールビル、94年リレハンメルと2度の冬季五輪にも出場する世界レベルの選手でありながら、「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を起こし、氷上外の人生でも大きくすっころんだトーニャ・ハーディングのスキャンダラスな半生を、「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役で一躍世界的にブレイクしたマーゴット・ロビー主演で描く。作中で印象的なスケートシーンは、マーゴット・ロビーが4ヵ月間の猛特訓のすえ、再現している。
アリソン・ジャネイが見事アカデミー助演女優賞を受賞したラヴォナの「鬼畜ママ」っぷりも目を見張るものがある。精神的・肉体的にも日常的にトーニャを虐待し、悪気も全くない。さすがに脚色しているだろうと思ったが、映画ラストに映るラヴォナ本人の映像を見ると、アリソンの再現度の高さに驚愕する。
セバスチャン・スタン演じる元夫ジェフ・ギルーリーも超ド級のDV夫。「俺は国際的なボディーガードだ!」と妄言をまき散らすジェフの友人ショーン(引きこもり)は救いようもない。ジェフとショーンはトーニャを大会で優勝させるため、ライバル選手を棄権させる脅迫作戦を思い付き、知り合いに協力を求めるが、そいつらも全員おバカ・・・脅迫事件のはずが傷害事件に発展し、その上、事件後あっという間に逮捕される。
もはやコメディ映画のようなタッチで描かれる本作だが、これは事実に基づいた物語。つまりこのおバカと暴力しかいない家庭環境こそアメリカ白人貧困層(プアホワイト)の真実なのだ。
そんな「悲劇」ともいえる家庭環境を「喜劇」として描いている。映画のラスト。倒れたトーニャがカメラ目線で「これが私の物語・・・これが真実よ」とニヤリと微笑み。力強く立ち上がるシーンが印象的だ。
家庭環境に恵まれず、傷害事件を起こし、スケート界を追放され、人生を大きく転倒したトーニャだが、そんな辛い過去を「喜劇」のように笑い飛ばして立ち上がる姿に感動する。
そうか。私の記憶に鮮明に残っていたのは、浅田真央さんや羽生結弦さんの何度転んでも立ち上がる姿だったのだと気づかされた。
3/24世界フィギュアスケート選手権初日にワンダフルなひとときを!
作品情報
アメリカ人のフィギュアスケート女子選手として初めてトリプルアクセルに成功し、1992年アルベールビル、94年リレハンメルと2度の冬季五輪にも出場したトーニャ・ハーディングのスキャンダラスな半生を、「スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役で一躍世界的にブレイクしたマーゴット・ロビー主演で描いたドラマ。貧しい家庭で厳しく育てられたトーニャは、努力と才能でフィギュアスケーターとして全米のトップ選手への上り詰めていく。92年アルベールビル五輪に続き、94年のリレハンメル五輪にも出場するが、92年に元夫のジェフ・ギルーリーが、トーニャのライバル選手を襲撃して負傷させた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を引き起こしたことから、トーニャのスケーター人生の転落は始まっていた。プロデューサーも兼ねてトーニャ役で主演したロビーは、スケートシーンにも挑戦。母親役のアリソン・ジャネイが第90回アカデミー賞の助演女優賞を受賞した。元夫のジェフ・ギルーリー役は「キャプテン・アメリカ」シリーズのセバスチャン・スタン。監督は「ラースと、その彼女」「ミリオンダラー・アーム」のクレイグ・ギレスピー。(映画.comより)
【スタッフ】
監督:クレイグ・ギレスピー
【キャスト】
トーニャ・ハーディング:マーゴット・ロビー
ジェフ・ギルーリー:セバスチャン・スタン
ラヴォナ・ハーディング:アリソン・ジャネイ
ダイアン・ローリンソン:ジュリアンヌ・ニコルソン
ショーン・エッカート:ポール・ウォルター・ハウザー
トーニャ・ハーディング(少女時代):マッケナ・グレイス
ボビー・キャナベール
ナンシー・ケリガン:ケイトリン・カーヴァー
ドディ・ティーチマン:ボヤナ・ノヴァコヴィッチ
アンソニー・レイノルズ
【受賞歴】
第90回アカデミー賞 助演女優賞
第75回ゴールデングローブ賞 助演女優賞
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