4月1日=入社式の日に観たい映画『マイレージ、マイライフ』

ドラマ・コメディ

 今日4月1日は多くの会社で入社式の日です。希望する会社に入れた人も、入れなかった人もいると思います。今日という日を悲喜交交で迎えるすべての人へ、それでもきっとあなたの人生は素晴らしい!そう思わせてくれる今日観たいおすすめ映画は『マイレージ、マイライフ』です!

あらすじ

年間322日も出張するライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)の仕事は企業のリストラ対象者に解雇を通告すること、つまりプロの“リストラ宣告人”。「バックパックに入らない人生の荷物は背負わない」をモットーとする彼は、夢の1000万マイル達成をすぐ目前にし、しがらみから自由な生き方を楽しんでいた。 そんなライアンに二つの出会いが訪れる。一人目は彼と同じく出張族のアレックス(ヴェラ・ファーミガ)。気軽な大人の関係とお互い割り切って情事が始まる。もうひとつの出会いは新入社員のナタリー(アナ・ケンドリック)。ネット上で解雇通告を行い、出張を廃止するという合理化案を会社に提出しており、ライアンの立場と1000万マイルの達成を危うくする存在だった。 異なる年代の二人の女性との出会いをきっかけに、人を“切る”ことで生きてきた男が“つながり”の大切さに気づいていく・・・。

見どころ

 冷徹なリストラ宣告人で、結婚にも家族にも興味が無い自由奔放人間ライアンが、過去の自分を改め、家族や恋人との真実の愛に目覚める物語・・・上記<あらすじ>を見ただけで、こんなありきたりなストーリーが安易に想像できる本作だが、そんな一筋縄な映画ではない。本作、例えるなら「人生万事塞翁が馬映画」である。

 「人生万事塞翁が馬」とは中国由来のことわざで「人生は良い事も悪い事も、かわるがわる起き、予測できない。また、人生において、何がよくて何が悪いのか、後になってみないとわからない。」という意味。そもそも主人公の仕事が「リストラ宣告人」であり、多くの人に「悪い事」をお届けする仕事と言える。

 本作は2009年公開で、リーマン・ショックが2008年なので、当時のリアルな雇用事情を描いている。ライアンからリストラを宣告され、「なぜ自分がクビなんだ!納得できない!」「明日起きたら何をしたらいいか教えてよ!」悲痛な叫びをあげる人々が、作品全般を通して嫌というほど登場するが、後半ではリストラをチャンスに、過去に諦めた「本当にしたかった仕事」に就けて感謝する人など、リストラをきっかけに「良い事」に巡り会えた人々が紹介される。

 主要登場人物はみんな「良い事」と「悪い事」両方に見舞われる。大学を主席で卒業したエリート新入社員ナタリーも、恋人に手痛く振られる。ライアンが妹の結婚式で帰省すると、順風満帆で暮らしていると思った姉は夫と別居中で、妹は結婚式でどでかいトラブルに見舞われる。主人公ライアンも作品後半、マイルのステータスにこだわり、家族にも恋人にも無責任であった自分自身を顧みて、心機一転生まれ変わろうと行動に移すのだが、うまくいかない・・・(ほとんどの映画で、絶対うまくいく流れであるにも関わらずだ)絶望するライアンを救ってくれたのは、自ら否定した過去の自分が懸命に貯めた「1000万マイル」だった。

 「過去の自分を顧みて、変わろうとすることも素晴らしい。しかし変われなかったとしても、過去の自分が積み重ねてきたことは決して無駄ではない。きっとマイルのように積み重ねられている。人生万事塞翁が馬。人生において、何がよくて何が悪いのか、後になってみないとわからないのだから。」そんな優しいメッセージを感じる映画だ。

4月1日=入社式の日にワンダフルなひとときを!

スタッフ&キャスト

監督、脚本、製作=ジェイソン・ライトマン

脚本=シェルダン・ターナー

原作=ウォルター・キルン

製作=アイヴァン・ライトマン

ライアン・ビンガム=ジョージ・クルーニー

アレックス・ゴーラン=ヴェラ・ファーミガ

ナタリー・キーナー=アナ・ケンドリック

クレイグ・グレゴリー=ジェイソン・ベイトマン

カーラ・ビンガム=エイミー・モートン

ジュリー・ビンガム=メラニー・リンスキー

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